南足柄市苅野地区の株式会社金太郎ファーム(苅野620・磯崎昇治代表)のハウスで3月16日から南足柄産バナナの収穫が始まっている。
高齢化や後継者不足で元気がなくなっていく地域の農業に「活力を呼び戻したい」と、昨年から国産バナナの栽培を始めた磯崎さん。品種は高級バナナとして知られる「グロスミッチェル」だ。特に温室内の温度管理、水やりの量やタイミングなどに細心の注意を払い、140本の木から日々、目を離すことなく育て約9カ月。初めての収穫を迎え、喜びもひとしおだ。
磯崎さんは農薬や化学肥料などは使わず安心・安全な栽培に取り組んできた。収穫したバナナは芳醇な香りと上品な甘さが特長で、素材本来の味が際立つ。皮のまま丸ごと食べることもできるという。早速スタッフとバナナをほおばった磯崎さんは「いろいろな方の協力を得て、この事業を始めることができた。味の方も間違いないと思う」と顔をほころばせた。
新たな挑戦にバナナを選んだのは、早く安定した収穫が期待できるため。国内では輸入バナナが多く流通し、国産は希少価値が高い。1年目から収穫できる上に、新技術で育てることでサイクルも比較的短く効率が良い。「金太郎バナナ」と名付け、今後は地域の名物として育てていく。
すでに、南足柄市のふるさと納税返礼品にも登録され、予約も上々。一般向けはインターネット販売が中心となるが、磯崎さんは「一部は4月上旬を目標に対面販売もしていきたい」と話す。問い合わせは株式会社金太郎ファーム【電話】090・1608・7755。
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