商工会青年部主張発表県大会に出場する 櫻井 武志さん 湯河原町門川在住 35歳
相手の心に直球、何度でも
○…故郷湯河原への思いや商工会青年部での活動を「主張」にまとめ、語ることになった。先輩から後輩へと受け継がれる大役が自分にまわってきた形。主張といっても単に自分の考えを原稿用紙に書いて読むのではない。青年部といえば町の名物『冬ほたる』や『担担やきそばまつり』で縁の下を支える商工業界の若手たち。町の活性化を目指して冬には震えながら、夏は陽に焼かれながら汗を流している。普段は語らないこうした情熱を、熱いままに伝えるのが使命だ。
○…練習場所は、仕事が片づいた夜中の事務所。制限時間10分間で聴衆の視線をつかみ、相手の心に伝えるためには発声練習だけでなく身振り手振りも欠かせない。県大会、そして全国大会と階段を上るほどに磨き抜かれたスピーチが残る。先輩から託された音声レコーダーを握りしめ「全国にも出た先輩の思いに応えたいんです。でも自分の声はまだ棒読みに聴こえる」と納得がいかない様子。
○…普段は千歳川の河口近くの事務所を拠点に旅館などをまわり、自家製ジャムの販売と営業に携わる自称「ジャムおじさん」。オーナー制のミカン畑の管理なども手掛け、小さい頃から高台にある畑にのぼり、父の背中を見て育った。サッカーが得意だったこともあり湯河原中学校を卒業後は山梨にある帝京第三高へ。名門サッカー部に入り寮生活を送った。朝から晩まで練習という日々が続き、100人いた新入部員が卒業時には十分の一になっていた。「厳しかった分、先輩後輩の絆は今でも忘れられません」。当時敷いたレールが今の青年部活動へと直結している。
○…趣味はクルマ。限られた休日で家族サービスにいそしむ。「サファリパークや遊園地、水族館…関東各地はほとんど行き尽くしましたねぇ」。3人の子どもたちには主張大会の事を教えていないとか。壇上の姿を見たら、父への眼差しが変わると思うのだが。
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