「完熟娘。」旬はこれから



　○…６人組グループの長女的存在として歌い踊り続けてきた。４年前にダンサーや声優、アナウンサーなど個性豊かなメンバーが集まって結成した「完熟娘。」。このユニット名にたどり着くまで、ずいぶん考えを巡らせた。そもそも自分たちは娘なのか、違うのか？30代で完熟と言っていいのか、未熟なのか。議論の末「娘」に添えたのが「。」＝ピリオド（終了）。微妙な境界線を綱渡りするムスメたち。しかしパフォーマンスは百戦錬磨。ベテランの貫禄に満ちている。



　○…苗床はのんびりした大平台温泉の一角。母校は旧温泉小学校だった。父が保養所の職員だったこともあり、レーザーディスクやカラオケに親しんで育つ。３歳の女の子がマイクを握り「津軽海峡冬景色」を熱唱、これで喜ばない宿泊客はいなかった。父に歌唱を教え込まれてバレエや演劇の稽古にも汗を流すようになった。時代劇に子役として出演、歌手でソロで、グループで…数々のステージで熱くカラフルなライトを浴び続け、いつの間にか見事に熟れた。３年前から湯河原のやっさ花車ライブに出演するなど地元にも根を張り始めている。



　○…艶やかなお肌の秘訣を聞くと「ケアは特になし」。三食よく食べ酒は控えめ。何より激しい振付けが体を磨いてくれるのだ。「同世代を元気づけたい。三十路でもこんなに面白い事ができるんだって」。衣装、撮影、演出…やれることは片っ端から自分でやる主義。２年前まで若手グループもプロデュースしていた。「メンバーの人気投票制はウチの方が秋元康さんより前に導入してたんです。とられたなぁ」。とはいえそれも昔話。ＡＫＢどころか完熟娘をワールドツアーにも導いたのだから。「マンハッタン・キス」「 モンテカルロで乾杯」…往年の名曲に乗って心の世界旅行へ。空港に行く必要はないがスチュワーデス姿にこだわった。完熟の実には人を笑顔にする種がぎっしり詰まっている。