視線釘づけ 風まかせの芸術
泉に住むシャボン玉名人大野久夫さん(会社員)
休日、熱海のサンビーチに現れる「シャボン玉名人」が観光客の視線を集めている。釣竿のような2本の棒をバケツに突っ込みおもむろに空にかざすと、海からの風が無数の泡風船を吹かす。泡を割ろうと駆けまわる子ども達を横目に「絶好のシャボン玉日和ですね」。名人は泉地区に住む会社員の大野久夫さん(41)。2年前に市販のシャボン玉で遊んでいた姪っ子を見たのがきっかけだ。より多く、大きな玉を作ろうとインターネットを辿り、国内外の名人の技を研究するようになった。最初は見よう見真似だったが次第に自分流に道具をアレンジ。両手に握る棒の間には凧糸の輪がいくつも連なり、泡を生む。素材にこだわって京都の専門店から糸を取り寄せることも。シャボン液は粘度のある洗剤などをブレンドしたものだ。大きな玉を作るためには、湿度も重要だが割れる原因になる液の泡をこまめに取り除くことが肝心だという。最近、大人と子どもが一緒になって遊ぶことを目指すボランティア団体「熱海ビーチクラブ」に加わり、毎月第二日曜日に浜辺に立つようになった。「最初は自分が楽しかったけど、今は観光客や地元の人が喜ぶ姿を見るのはもっと楽しい。首都圏でも飛ばしたい」と話していた。
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