ハマちゃんには内緒―秀宝丸で釣りデート 真鶴にも来た 紳士なスーさん
「釣りバカ日誌」のスーさん役で親しまれた俳優の三國連太郎さんが4月14日に亡くなった。シリーズ7作目(1994年公開)では福井県の東尋坊と真鶴町が登場する。当時のエキストラ参加者などは三國さんの思い出を振り返り「温厚で礼儀正しい人柄だった」と口をそろえた。
ロケが行われたシーンは、スーさんと女医の彩子(名取裕子さん)との釣りデート場面など。ハマちゃんに内緒で秀宝丸に乗り込み、和気あいあいと竿を握っていると、そこで運悪く別の船(山真丸)に乗ったハマちゃん(西田敏行さん)とばったり…というもの。三國さんらは入船旅館で2泊し、日産マリーナ真鶴や漁船などで3日かけて撮影した。作品ではハマちゃんが得意気に「真鶴よいとこ」という歌を口ずさむシーンも収められている。秀宝丸を動かしていた宮川栄司さんは「カメラが回っていない間も、三國さんは映画に出てくるスーさんとまったく同じだった。優しい気さくな人」。番場浦や灯台の付近の洋上でカメラを回したが、波も小さく撮影は無事終了。立派なアマダイを釣りあげる場面で、三國さんがうっかり魚を海中に落としてしまうハプニングもあった。また親が下田で漁業関係の仕事をしていたという三國さんは海に詳しく「この季節の漁は何時起きですか」と質問していたという。観光協会の柴山高幸さんは入船旅館前で夜釣りをしていた。「何が釣れるんですか」と隣の男性に不意に声をかけられ、振り向いたら三國さんだった、というエピソードも。同旅館は撮影の小道具集めに奔走し、シーンに必要な食器なども提供していた。エキストラにもなった同旅館の青木玉江さんは「これまでいろいろな役者さんに会ったが、三國さんはとびきり紳士な人だった。誰に対してもあいさつしてファンサービスを欠かさなかった」と当時を懐かしんでいた。
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