みんな服のまま 全身入浴
「明日はないぞ」「どっこいどっこい」「男も女も」「元気を出して」――5月25日に湯河原温泉で30回目となる「湯かけまつり」が開催され、街の光が湯けむりに霞んだ。
温泉場から泉公園までの約2Kmには温泉入りの樽千個が並び、桶を手にした地元住民が今か今かと神輿を待機。おなじみの黄色い「ケロリン桶」は今年から入手が困難になり「持ち帰らないで」といった呼びかけも。掛け声とともに神輿体験ツアーや芸者神輿、湯河原睦や巽、素鵞会が到着すると、待ってましたとばかりに上下左右に湯が乱舞。道路上から湯気が立ち上り、芸妓たちの顔にも拭うひまなく湯が流れ落ちた。雨合羽姿で神輿を追うカメラマンたちも間もなく内側からずぶ濡れになり、ダメ押しのように放水車が頭上から温泉を降らせた。