神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

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県内最年少タクシードライバー 佐藤 涼さん 富士箱根交通(株) 22歳

公開:2013年10月4日

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強く、そして逞しく

 ○…ピンクのポーチに、花柄のファイル。運転席の脇に女の子らしいアイテムを備え、箱根や小田原を飛び回っている。宮ノ下などに拠点を構える富士箱根交通(小田原市)に転職し、タクシーの運転手になったのは半年前。普通免許取得から3年間は乗務員に必要な二種免許をとれないため、今年3月、ようやく取得条件を満たした。神奈川県タクシー協会に登録されているドライバーの中で、男女通じて最年少(9月1日時点)。「車の運転が好きで、仕事にできればと思っていた。今は楽しくて仕方ない」。前職はバスガイド。老若男女を相手に軽快なトークを披露してきた経験も活きている。「タクシーのお客様もさまざまだけど、いろんな話ができる」と前向きだ。

 ○…彼女の人生は、東日本大震災によって大きく変わった。2年半前に甚大な被害を受けた宮城県南三陸町出身。高校卒業後、都会への憧れから関東へ。松田町のバス会社へ就職して1年後の2011年春、仕事を辞めて故郷に戻ろうと決心していた。両親への報告を兼ね、3月12日に実家へ帰る予定だった。しかし、前日の地震で帰省どころか家族への電話も不通に。4日後、家族や知人の無事は確認できたが「無職で地元に戻っても迷惑をかける」と思いとどまった。震災は、それまで弱気になっていた彼女を奮い立たせたのだ。タクシー乗務員となり、泥酔した利用者が行先を教えてくれず、涙ながらに先輩に助けを求めたこともあったが、下を向く気はない。

 ○…趣味もドライブ。休日に友人と出かける際の運転は「もちろん自分」なのだとか。カラオケで盛り上がり、夜勤後は24時間眠り続けることも。箱根の下り坂では時に後続車にあおられることもあるが、速度はそのまま。気にしない。「お客様が安心できる運転」がモットーだ。実家の漁業は今年6月、本格的に再開した。前に進む家族へ伝えたいことがある。「私、頑張ってるよ」。
 

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