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新聞紙バッグを作り被災地支援を続ける 西川綾乃さん 湯河原町吉浜在住 46歳

公開:2013年10月18日

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物づくりの血がさわぐ

 ○…細かく枝分かれする坂道の一角にある自宅で新聞記事のカラフルな写真や広告を生かした新聞紙バッグを並べた。同じ柄は二つとない。ワインボトル入れ、お買いもの用、物入れ用など、スタイリッシュで暇な時は「読める」バッグだ。手間のかかる作業だが、作り手の個性が出る。数百円の売上の一部を福島県相馬市震災孤児あしなが支援活動に寄付し続けている。

 ○…実家は兵庫県川西市、祖母が洋裁が好き、母も和裁好きという、モノづくりの血筋を受け継いだ。服などを「買って」とせがむと、母・信子さんはきまって布を買ってきてくれた。結局ぬいぐるみも、ペンケースもお気に入りは自分の両手で作る。小中学校では好きな男の子に手作りバッグをプレゼントしたことも。

 ○…都内で事務の仕事をしていたが、騒音あふれる環境から抜け出すため2年前に吉浜の地へ。コーヒー豆を販売しながら洋裁教室で教えるようになった。1年前の健康診断で偶然乳がんが見つかった。ふと頭に浮かんだのが「入院したら暇だろな」。その頃、裾野での東北復興支援イベントで販売されていた新聞紙バッグに出会う。ただの回収ゴミだったものが、付加価値がついて生まれ変わる様に感動した。作者に頼み込んで、3時間で作り方を習得。新聞紙の束を抱えて入院した。「ベッドに新聞を広げてせっせと作るものだから、見舞に来る人も先生も『元気ね…』って。これに救われたのかも」。

 ○…新聞紙の折り目を何回もこすって直線の折り目を入れてゆく。角がだぼつくと安っぽく見えるのだ。「お金を出して買ってもらうって、簡単じゃないですよね」。最近海外では日本の新聞を使ったバッグが人気という。自分の姿が載った新聞紙によるオーダーメイドの依頼も入る。これまでに作った数や苦労を聞くと宙をあおいで考え込んでしまった。好きなことで誰かを助けている人は、あまり後ろをふり向かない。
 

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