真鶴漁協 10年ぶり新定置網、水揚好調 単価高い魚取り込む
真鶴半島沖にある6基の定置網のうち、最も大きい真鶴漁協(組合員40人)の定置網が2月末に新しくなった。網の場所を変えたところ、昨年より単価の高い魚が入るようになり、水揚げは例年になく好調という。
新たに設置された網は、従来よりも魚を囲い込んでおく「箱網」が広く、深いのが特長。場所は琴ヶ浜近くの海上で、漁協が最もこだわったのが、その水深だ。昔の定置網ではアジやイカ、マグロなど比較的単価の高い魚が獲れていたが、平成15年の台風で破損。設置場所をやや浅く変えたところ、今度はゴマサバや片口イワシなど単価の安い魚が漁獲の8割を占めるようになった。今回新しい網を、ほぼ昔の位置(水深75m)に戻すことで、再び単価の高い魚を取り込めるようになったほか、台風の教訓を生かして大きな網目を組み合わせ、うねりのダメージも受けにくくなっている。
また漁協では網の新調にあわせて燃料効率の良い新漁船「あしがら」(全長25m・15トン)も導入。網と船の新調費用約5億円は、水産庁の補助制度を活用して工面した。
漁協によると位置が変わったせいか、高級魚のほか、ブリの漁獲が増え、3月の水揚げ(金額)は半月で前年の倍程度に達したという。漁協職員は「今考えうる中では最高の定置網。4月から漁獲が増えるシーズンだが、逃していた魚を獲っていきたい」話していた。
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