箱根登山ハイヤー（株）が27日、オレオレ詐欺事件の情報提供で小田原署から感謝状が贈られた。

　被害者は大井町の70歳代の男性で、18日に孫を名乗る男から電話を受けた。「会社の金をなくしてしまった」という声を信じた男性は、指定された御殿場線の駅に向かい、そこに現れた20歳の男に現金１００万円を渡した。いったん帰宅したが家族の指摘で詐欺と判明。すぐに駅に戻ったところ、そこにはまだバッグを持った男がいたという。御殿場線は本数が少なく電車を待っていたとみられる。その場で揉みあいになった男は逃走し、その後１・５Km離れたコンビニでタクシーを手配した。

　いっぽう小田原署は１１０番通報を受けた後市内のタクシー９社に連絡して容疑者の特長を伝えていた。男からの電話を不審に思った箱根登山ハイヤーの配車担当者が車を向かわせながら、小田原署にも連絡したという。その後男を乗せたタクシーは署員が待つ小田急線の駅に到着。発生から約２時間後のスピード逮捕に結びついた。

　徳正厚小田原署長は「警察の手配が早かったのと、タクシー会社の意識が高かったのが要因」と振り返り、同社の長谷川社長は「少しだけ社会貢献できた。今後も人命救助などで役立ちたい」と話していた。