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「土肥会」会員で、湯河原ゆかりの武将・土肥実平の花押を調べる 加藤 雅喜さん 湯河原町土肥在住 66歳

公開:2015年4月10日

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実平の温もりを追い求めて

 〇…湯河原が誇る鎌倉時代の武将・土肥実平。地元町民も知らなかった直筆の花押(サイン)を探し、出雲大社の第84代出雲國造 千家尊祐宮司から貴重な直筆の古文書画像を受け取った。大切そうにコピーを広げ「約800年前に本人がこの書に触れたんです、汗がしみこんでいるかも」と愛おしそう。源頼朝の部下として忠実に働き、武人の鑑と伝わる実平。駅前には銅像も建っているのに本人の温もりを伝える物が町に存在しない。もどかしい思いに突き動かされた。

 〇…福島県喜多方市生まれ。歴史好きは「ちゃんばら」を愛した父譲り。少年時代に連れて行かれた映画館はコタツ席もあり、親子でミカンの皮をむきながら時代劇に見入った。名優・市川右太衛門や片岡千恵蔵の大活躍に、眠気をまったく感じなかったという。その後も趣味が重なり、二人で全国の城を行脚した事も。中央大進学後はまっすぐ日本史を専攻、卒業後は埼玉の高校教員になった。

 〇…「好きな事で給料をもらえる」まさに天職だった。少しでも生徒を刺激しようと、教室に畳を立てて弓矢の実演を企画したり、戦国時代に庶民が食べた保存食をかじらせてみたり。こうした脱線も本人いわく「タイムスリップ」。どれも暗記になりがちな歴史を五感で伝える戦略だった。「みんな東大生になる訳じゃない、大人になって大河ドラマを見たり、酒の席で歴史を語れればいい」。

 〇…「義母と温泉つきの家で過ごしたい」と6年前に湯河原へ。高校で働いていただけに、若者が少ない町に衝撃を受けたという。活気を取り戻すにはどうすべきか、たどり着いた答えは「外から仲間を引き込めばいい」。今住んでいるマンションは、住人の半分が別荘族。湯河原の暮らしやすさと、文化の薫りを発信することで「定住者を増やせるはず」。地元を愛するからこそたぎる学究心。真っ白い頭を、はるか雲上から実平が見守っている。

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