神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS

「規制は一部」繰り返し

社会

公開:2015年5月15日

  • X
  • LINE
  • hatena
14年前も蒸気がのぼった温泉造成施設(8日撮影)
14年前も蒸気がのぼった温泉造成施設(8日撮影)

地殻変動や蒸気、以前も

 大涌谷周辺での火口周辺規制が始まり、1週間が経った。町は11日に温泉供給の保守関係者に条件つきで立ち入りを認め、刻々と変わる状況を分析しつつ温泉供給体制の維持に努めている。「規制は一部」という広報も繰り返してきた。

 箱根ではこの1年、微小なものも含めた地震発生回数が1日あたり一桁で推移していたが、4月26日頃から100回を超え、12日現在累計2300回を超えた。こうした地震は2年前(600回)や9年前(600回)、14年前(4000回)など、度々発生している。火口周辺の出入りを規制する噴火警戒レベル2が発表されたのは地震が累計約千回に達した5月6日。2009年に警報レベル制度が導入され初の引き上げとあって、多くのメディアの注目を集めた。大涌谷の温泉造成施設の一部では蒸気が激しい音を立てて吹き出し、火山の象徴のように報道されている。これは「暴噴」とよばれる現象で、14年前にも火山活発化などによって発生し、約5ヵ月後に沈静化した経緯がある。

 温泉地学研究所では大涌谷周辺の地殻は1Km先が2ミリ程度動く程度の膨張を確認しているが、こうした膨張は過去の地震活動でも発生し、いずれもおさまっている。国土地理院は11日に大涌谷の一部範囲で最大8cmの隆起を確認したが、人工衛星を駆使した調査は今回が初だった。

 一連の活動について同研究所では地下深くのマグマだまりの圧が高まり、地下にたまる熱水が影響を受けたとみているが「根本原因については不明」という。気象庁では13日から現地周辺に遠望カメラや空振計(噴火等に伴う空気の振動を観測)の設置を決めるなど、監視体制を強めている。今後の規制については「仮に地震発生回数や地殻変動、蒸気噴出が落ち着いて、1か月以上は観察が必要」としており、中長期化する可能性がある。

 箱根温泉旅館協同組合では、宿泊キャンセルなどの影響についてアンケート調査を続けてきたが、結果を非公表とした。ネットを通じた予約はキャンセルも簡単で数字が日々大きく変動する。部分的な数字が箱根全山と報道されるリスクがあるためだ。

国会で質問

 風評の影響について山口昇士町長は「難しい問題。町が一つになり払拭に取り組まねば」と話す。行政や民間事業者などの間には気象庁が使う「箱根山」という表現に対して反発が多い。実際に箱根山という山はなく、一部の規制が箱根全体のようにイメージされる懸念だ。地元選出の井上義行議員(元気)や神山洋介議員(民主)は国会の委員会質問で「規制はごく一部」「他は平常」と伝えるよう太田国交相に念を押した。牧島かれん議員(自民)も海外への正確な情報発信のため、町と国機関との間で仲介しているという。

約1Km手前で通行止めに
約1Km手前で通行止めに

箱根・湯河原・真鶴版のトップニュース最新6

宇宙に輝く「勝俣隆」

宇宙に輝く「勝俣隆」

箱根出身・功績たたえ小惑星に命名

5月1日

蘇るか彫刻の祭典

真鶴町

蘇るか彫刻の祭典

来年の五輪に合わせ、今秋にも公開制作

5月1日

創始者が一万円札に

創始者が一万円札に

箱根温泉供給(株)のルーツ「耕牧舎」創立

4月19日

漫画でわかる土肥実平

漫画でわかる土肥実平

 武者行列で初配布

4月19日

湯河原の由来も万葉集

湯河原の由来も万葉集

「令和」に驚きと期待

4月5日

「あかり」大槌町に出張

湯河原明店街マスコット

「あかり」大槌町に出張

復興中の末広町商店会と交流

4月5日

あっとほーむデスク

  • 5月1日0:00更新

  • 4月19日0:00更新

  • 1月25日0:00更新

箱根・湯河原・真鶴版のあっとほーむデスク一覧へ

バックナンバー最新号:2019年5月1日号

お問い合わせ

外部リンク