箱根・湯河原・真鶴版
公開:2015年7月10日
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雄大な富士の裾野に広がる海に、のんびり浮かぶ2艘のヨット――。小田原に唯一残る銭湯「中嶋湯」で6月23日、約15年ぶりにペンキ画が一新された=写真。
経年劣化で古いペンキが所々めくれあがり、5年程前から塗り替えを検討していたという店主の加藤寛さん(81)。近年は銭湯の減少とともに描き手も少なくなるなか、インターネットを通じてペンキ絵師の田中みずきさんと出会い、塗り替えが実現した。
一日がかりで仕上げられたペンキ画は男湯に富士山、稜線が女湯に続く。
加藤さんと同じ1934年生まれの「中嶋湯」。当時の面影を残す銭湯は老朽化が目立つようになり、加藤さん本人も「体力的に衰えてあと何年できるかな……」とポツリ。修繕費も馬鹿にはならない。
それでも、「『休んでもいいからやめないで』と足を運んでくれるお客さん達がいる。続けるからには、気持ちよくお風呂に入ってほしい」と一念発起。女湯からも富士山が望めるようになったペンキ画を前に、「東京オリンピックまでは頑張ろうかな」と心機一転、気合を入れ直していた。