町民有志ら「亀ヶ崎等利用推進会議」
お林展望公園脇にある「亀ヶ崎」の利用推進を話し合うため、町民有志など8人の委員が選ばれた。早ければ今月下旬から関係団体を加えた会議が始まる。町有地だが落石や倒木の懸念もあり、現在は立ち入り禁止。観光スポット化の話題が出ては消えてきた場所に、再び光が当たろうとしている。
亀ヶ崎への入口は岩石で封鎖されているが、本紙では町の許可を受けて入った。ハイカーや釣り人とすれ違いながら5分ほど坂を下ると、左右を崖にはさまれた海に出る。ここにはかつて真鶴水族館があった。当時の名残ともいえる釣り堀(生簀)が所々崩れているため、県が立入禁止にしている。右側の崖にぽっかり口をあけた石窟に「内袋観音」は鎮座していた。高さは台座を含めて約4mで、最初に誰が彫り始めたのかは分かっていない。タワシや線香が置かれ、今なお参拝する人がいるようだ。
未完成だった
町教育委員会では観音像の調査を行っていないものの、町内に住む観光ガイドの加藤仲男さん(90)が12年ほど前からそのルーツを調べてきた。加藤さんによれば1952年(昭和27年)の町勢要覧が最も古い公的記録で、そこには「明治初年切込石工が採掘した跡、百畳余の大穴に新たに彫刻した1丈6尺の見事な観音座像」と載っている。この時は未完成だったらしく、30年ほど前の町広報に「昭和28年に地元の石材業者などが発起人となり、観音像の彫刻が再開、昭和29年に完成した」ことも分かった。腕を振るったのは彫刻家の八柳五兵衛氏と八柳伸五郎氏、和田敏郎氏の3人。いずれも故人で、狛犬や仏像彫刻で名を馳せた彫刻家一門だったという。翌年の完成時には幕が張られ、彩色も施された=写真中段=。今も残る石碑からは地元だけでなく東京や伊東などから寄付が寄せられていた事が分かる。
町長は活用の意向
しかしその後は水族館の閉館や廃墟化もあり、存在は忘れられていった。「観音の前にらせん階段を建て、展望公園とつなげられれば」と加藤さん。宇賀町長はこれまでの議会答弁で亀ヶ崎を「半島の魅力を生かす観光スポット」としており「県のアドバイスを受け利用計画を検討したい」と答えている。
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