箱根・湯河原・真鶴版
公開:2017年3月10日
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湯河原文学賞の最優秀賞は、仙台市在住の森明日香さんの作品「お稽古日和」が選ばれた。今年は昨年より7作多い129作品の応募があり、小説家の西村京太郎氏が選考に加わった。賞金は50万円、副賞として祥伝社「NON」6月号に掲載される。
【最優秀賞受賞作品概要】呉服屋に嫁いだお時は三十になる一年前に子が流れたことなどを理由に離縁された。仕立物を生計としながら長屋で一人暮らしていたが、ある時からおとめという五つくらいの痩せ細った女の子を招いきれ、簡単な用事などをしてもらうお礼に食事をさせるようになった。おとめもお時に遠慮しながらも懐き、お時の家で過ごすことが長くなった。おとめには兄姉が多く、誰もお時の家で長く過ごすことを親も気に留めていないようだったが、ある日からおとめの姿が見えなくなった。-おかしい。もしや前日に自分の古着を縫い直してあげたことが、母親の妬みを買ってしまったのかもしれない。案じているお時のところにある男が訪ねてきた…