「第54回琵琶楽コンクール」が9月10日、都内で開かれ、錦心流琵琶全国一水会湯河原支部の笹本晧水支部長(65・小田原市)が優勝した。全国の流派が腕を競い合う大会で、笹本さんは、琵琶曲「本能寺」で挑んだ。
来月NHK・FMに出演
笹本さんの自宅には祖父が遺してくれた琵琶はあったが、本業は鎌倉彫の職人。触れることはあっても奏でることはなかった。きっかけは14年前。知人で箱根町・阿弥陀寺住職の水野森水さんに誘われ、湯河原の宮下会館で教える森中志水師匠(78)に入門することに。改めて祖父の琵琶を弾いてみると「何ともいえない音に魅せられた」。
同コンクールには9年前に出場しており、結果を出せず悔しい思いをしたことも。その後周囲の勧めで一念発起。まず協会誌で過去の審査員評を熟読、「姿勢を正しく」「楽譜を目で追わない」などのコメントを参考に練習に励んだ。予選を突破し、25人にしぼられた本選では眼鏡をとって譜面を暗唱して演奏した。「1位とは思わず、のけぞるほどびっくりした。祖父の琵琶と撥(ばち)のおかげ」と振り返る。笹本さんは日本琵琶学協会賞や文科大臣賞、NHK会長賞も受賞し、11月29日(水)のNHKFM「邦楽の時間」にも出演する予定。今も稽古に通う湯河原支部はメンバーの高齢化などで部員が3人に減ったが「いつか地元ゆかりの『七騎落ち』(源頼朝が真鶴から船出する内容)も習いたい。何とか盛り上げられたら」と話している。
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