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ジビエ広がれ 泉に解体施設 若手狩猟者などが設立

経済

掲載号:2017年11月3日号

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 湯河原を一望する熱海市泉で10月下旬、野生動物解体処理施設「山の恵」がオープンした。イノシシの捕獲数が増える一方で、ハンターは高齢化。こうした状況に危機感を募らせた若手狩猟者たちが、後進育成のために資金を出し合って整備した。

 「山の恵」のメンバーは主婦を含む6人で、千歳川から熱海側で活動している。農業被害を防ぐため市内で捕獲されるイノシシは昨年が300頭で年々増える一方だ。「わな猟」は獲物にとどめを刺す作業に危険がともない、解体も手間と体力が要るため土に埋められるケースもある。こうした負担を和らげ「ジビエ」の活用を促す事が目標だ。

 資金は仲間同士で出し合い、冷蔵庫以外の備品は中古品を寄贈してもらうなどして低予算で抑えた。保健所の許可もとってある。

 「オープンから10頭ほどを処理しました。使いやすいですよ」という錦織悦子代表(47)=写真右=は自宅で飼っていた烏骨鶏が野生動物に荒らされたり、しし鍋を味わった事がきっかけでこの道に入った。主婦の狩猟仲間は複数いるが、ここには重い獲物を吊り上げるウインチもある。獲物はまず洗浄して内臓や皮を取り、冷蔵庫で熟成させ、部位ごとに切り分ける「精肉」までを行う。

 会は儲けが目的ではないが、運営資金をまかなうために肉の販売も検討中だ。すでに外部委託でジャーキーに加工、「ししまん」なども作っており「いつかは地元の野生動物の肉を地元の温泉街で味わってもらえたら」という願いもある。今後、山の恵では1年で約50頭を処理する予定だ。

湯河原でも課題ハンター高齢化

 ハンターの高齢化は湯河原も同様で、地元猟友会には80歳代のメンバーもいる。60年代には100人を超える猟師がいたとされるが、現在の猟友会員は19人で若手の数はわずか。イノシシの数は熱海同様に増えつつあり「現役が引退した後にこの町がどうなるか」と懸念する会員もいる。イノシシの生息域は着々と住宅街に近づいており、わな猟でとどめを刺すための銃が使えない事もあるという。

 神奈川県は処理負担軽減のため、今年度トラック型の移動解体処理車「ジビエカー」を県西地区に導入する予定だ。処理施設のない山などに出向き、獲物が新鮮なうちに処理できるメリットがある。1500万円の車両購入補助をつけて民間による運用を目指しており、今は課題の洗い出しを進めている。

ガレージを改装した
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