ゆがわらハロウィン2017優勝の大型衣装を作った 小林 良夫さん 熱海市泉在住 54歳
凝り性は疲れ知らず
○…湯河原町をあげた一大仮装仮装大会で、客席を驚かせた”仕掛け人”。ジブリ映画のファンだったこともあり「天空の城ラピュタ」に登場するロボット兵の衣装を製作。「舞台に上がるのが恥ずかしい」と親類に頼みこんで着てもらった。高さ3m、もはや衣装というより大道具である。発泡スチロールやアルミホイルを使い、ボディを金属らしく仕上げた。こうした加工は地元青年会の山車づくりで慣れっこだ。「賞金に惹かれたんですよね。優勝したのに、家族からは『大人気ない』って言われました」とぽつり。賞金は神棚に供えているが、大部分は材料費で消えるらしい。
○…沢の流れが響く山間部で生まれ育つ。少年時代は野山で同級生と鬼ごっこに駆け回った。今は子どもの数が減っているせいか、遊びに行く長男を車で送り迎えする事がある。「今の子はゲームですよね。竹馬を作ったことがあるんですけど、あんまり使ってもらえなくて」と頭をかいた。小さい頃からモノづくりが好きで、湯河原中学校を卒業後は小田原城北工業高校へ進学。楽器製造の工場で働いた後に泉に戻り、3代続く実家の植木屋を継いだ。地元の消防団や青年会に入り、静かな山に根付いた人の絆に惹きこまれた。
○…晴れれば早朝から作業に出かけ、雨なら家でひたすら止むのを待つ。台風が続いたこの秋はつらかった。湯河原は昔に比べて寮や保養所が減り、庭の仕事も多くはない。それでも「真面目に丁寧に」という父や祖父のこだわりは守ってきたつもり。真っ暗な夜に作業を終え、ここ最近は晩酌を我慢して例のロボット兵作りに熱中していた。念願の優勝を果たしてひと段落の暇もなく、今は自宅にピザ釜を建設中。庭木はディズニーのキャラクターに刈り上げている最中で、凝り始めたら止まらない。「来年の仮装コンテストですか?計画は言えないなぁ」。日焼けした職人はにんまりと、歯はまぶしい。
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