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映画がきっかけ、この道30年以上 湯河原の「トラック野郎」

社会

公開:2018年2月23日

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光る文字は「アンドン」、緑色の光は「ナマズランプ」
光る文字は「アンドン」、緑色の光は「ナマズランプ」

 昼間はメタリックの飾りが太陽光を弾き、夜は七色の光を放ちながら走る「デコトラ(アートトラック)」。今や希少種とも言える車両が、湯河原町に静かに息づいていた。

 「三代目・恋姫岬」のオーナーである江川繁仲さん(44・自営業)がトラックに目覚めたのは湯河原小学校に通っていた頃。テレビで放映されていた映画「トラック野郎」シリーズを見てデコトラに感化され、自転車を飾り始めた。いわゆる「デコチャリ」である。その後18歳で初めて3トン半のトラックを購入し、伊豆市の恋人岬にちなんで「恋姫岬」と命名。現在はかれこれ3代目になる。車体にはキーワードを入れた「アンドン」が掲げられ、足元をがっしり固めているのは「キャデラックバンパー」。電飾は最近増えたLEDを使わずに「温もりがある」普通の電球にこだわる。運転席のドアを開けると、昭和ムードのシートとシャンデリア。この内装は「金華山のマドンナのホワイト」。この世界を知る人には通じる説明だ。ここまで車の装飾にこだわりながら、江川さんの職場は製造業でドライバーではない。恋姫岬号はトラックのイベント等に出場する以外は、ほとんど車庫に収まっているという。メッキのワックスがけといった手入れも大変で、仮に公道に出ても木の枝が装飾にぶつかりやすい山方面は決して走らない。それでも埼玉や群馬などでのイベントがあれば足を伸ばす。恋姫岬号はこれまで雑誌で紹介された事もあり、撮影を心待ちにしているファンも多い。デコトラの道に目標はなく「今が到達点かな」。目を閉じれば映画「トラック野郎」の登場人物たちが浮かぶ。おっちょこちょいだが人情に厚い彼らの魂を、江川さんは装飾パーツの形で受け継いでいるのかもしれない。主演の菅原文太を語る時は、必ず「さん」を添えている。

内装は「金華山」と呼ばれる
内装は「金華山」と呼ばれる
専門業者が手掛けた側面の絵
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