交差点の改良や社会実験などが行われてきた国道135号線。慢性化した混雑緩和向け「ゼブラ」設置が浮上している。
車の動きを観察
小田原市などは調査を通じ、車が沿線の店舗に入ろうとする際の動きに着目した。右折のタイミングを待つ車の背後で車が待っている。こうしたわずかな停車が渋滞の種のひとつと分かった。135号線の道幅は上下線合わせて約8mだが、中央線部分にゼブラを設置すれば、つかえた車をかわしやすくなる、という構想だ。隣は海で道幅に限りがあるものの、有力な検討材料になっている。
135号には上下線とも合流が複数あり、伊豆〜神奈川を行き来する大量の車が集中するのが原因だが、平行ルートの広域農道(湯河原〜入生田・建設中)は難所続きで全面開通の見通しは立っていない。伊豆への下りは土日の午前から混み始め、小田原城付近まで渋滞が続くことも。上りは休日午後に発生しやすく、石橋を先頭に真鶴道路のトンネル内まで続く。
市道への流入
この下り渋滞を避けようとする車が、米神地区の細い市道に流れ込み、時速50キロ程度で走り抜けるため、住民の間には不安の声も多い。1年前には市道への入口を封鎖する社会実験も行われた。この道からの合流部分が渋滞発生源にもなっていたため、合流自体をなくすねらいもあった。この時は根府川駅方面(県道740号)に車が連なってしまったものの、あと少し135号線がスムーズなら封鎖が成功した可能性もあった。市担当者は「地域の方には評価して頂いた」と振り返る。
135号線沿いの早川地域には、来年春に新しい施設が誕生する。海の幸の販売や飲食、情報提供などの新拠点「小田原漁港交流促進施設」だ。新しい建物は姿をあらわしており、駐車場は166台分を確保、早川駅からの徒歩観光客も含めて年間50万人ほどの来場を見込んでいる。管理運営にあたっては「適切な交通対策を講じる」としており、135号線から漁港への進入部分には右折レーンも新設される。オープンしなければ見えてこない部分も多いが、現地の交通誘導などを含めて管理を担う企業の力量も問われそうだ。