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宮ノ下開業医 豊島医師の別邸活用へ 故・廣江夫人が小田原市に寄贈

文化

掲載号:2018年10月19日号

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都内の広告会社に勤める男性は「建物の雰囲気が素敵。保存状態も良いのでは」と評価。別の男性は「建物自体はそれほど大きくない、飲食系にするとしても客席は多く設けられないかも」などと話していた
都内の広告会社に勤める男性は「建物の雰囲気が素敵。保存状態も良いのでは」と評価。別の男性は「建物自体はそれほど大きくない、飲食系にするとしても客席は多く設けられないかも」などと話していた

 宮ノ下の開業医、故・豊島牧四郎氏の別邸(小田原市栄町)で6日に現地案内会が開かれた。建物は1941年に建てられ「一月庵」と呼ばれる。書院風と数寄屋風の意匠を組み合わせた貴重な家屋で、寄贈を受けた市が活用を検討するため開催した。

「市民の憩いの場に」

 豊島氏は宮ノ下出身で尋常温泉小学校、小田原中を経て日大医学部を卒業、厚生省などでの勤務を経て、昭和30年代に富士屋ホテル近く、現在の渡邊ベーカリー付近に開業し、町民だけでなく旅館やホテルの宿泊客なども診ていた。氏は開業以前に病で肺を片方摘出したため、往診に出る時は妻の廣江さん(故人)がカバンを持つなど助けていた。油彩画や書道などもたしなむ多才な人だったという。医院は昭和63年の豊島氏の逝去とともに幕を閉じ、廣江さんは別邸の小田原市の建物をどうすべきか考え、売却して医学生の奨学金にするといった案も検討していた。その後「市民の憩いの場にしてほしい」「建物が朽ちても公園として防災などの役に立ててほしい」と言い残し、3年ほど前に亡くなった。生前、家族ぐるみで付き合いがあった大場脩一さん(宮ノ下・74)はその想いを伝えようと、現地に真鶴産本小松石で石碑も建てている。

民間アイデア26日まで受付

 寄贈を受けた市は豊島邸を維持・管理するだけでなく、アイデアを持った民間事業者に貸し出し、地域活性化につなげようとしている。現地案内会は、施設を民間事業者に実際に見てもらい、具体的なアイデアを募り、その後に実施する事業者募集の要項や建築整備等に生かそうと開いたもので、この日は事業者27人と一般6人が参加。資料を見ながら部屋の広さや導線、洗面所、トイレ等の設備の状態などを確認し、気になるポイントをスマートフォンやカメラで撮影する姿も見られた。担当する市都市部まちづくり交通課の職員は「古民家の趣きは残しつつ、ここが目的地となるような活用をしてもらえれば」と期待を寄せた。豊島邸は敷地面積881・21平方メートル、建築面積178・68平方メートルで小田原駅から徒歩10分圏内にある。市では、事業者等からの「民間活用アイデア」を10月26日(金)まで受付中。12月上旬から事業者を探し、来年2月下旬に選定する予定。

見学する来場者
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