京急本線上大岡駅から徒歩で約15分の場所に位置する大久保山自性院。詳しい創建の時期は明らかではないが、約900年前に相模と武蔵の国境付近であるこの土地で、善住上人が小さなお堂を建立して地蔵菩薩像を安置したのが始まりと言われている。以来、何度もお堂焼失等の災禍に見舞われながらもその都度復興し、地域の菩提寺として機能してきた。

　現在は、檀信徒の法事や葬儀などを執り行い、宗派を問わずに利用できる永代供養墓も運営している。

　また、住宅地の中に佇むこの寺院は「まなびや」と題して、写経会や仏教講座、御詠歌などの教室を開講している。2025年からは「まなびや」の中でも、人気の「やさしい仏教講座」を「やさしい仏教講座『リモート夜学版』」として、オンラインでも開講。遠方での受講や録画された動画での復習が可能となる。

元高校教師の住職が丁寧に指導

　講師を務めるのは、高校での教員経験を持つ山本高寛住職。2014年から自性院の住職を務めている。大学卒業後に高野山の専修学院「寳壽院（ほうじゅいん）」での修行を終えて副住職に就任。2005年からは横浜市内の高校で教員を務め、2014年に住職になった。以降、2019年まで教師と住職の二足の草鞋で活動。2020年から「やさしい仏教講座」などの講座を開始し、仏教説話会や写経などの教室も含めると現在の受講者は１カ月あたり50人を超えている。

　「祈るだけでは、もったいない」と語る山本住職。「せっかく仏法に触れる機会があるのなら、祈るだけでなく仏教の教えを学んで実践し、日々の生活に生かしてほしい」との考えで、始めたという。難しい用語をなるべく使わずに仏教を説明することを意識し、日々の講座に臨んでいる。

実生活に生かせる話も

　「やさしい仏教講座」は全12回で構成。対面は週末を中心に、オンラインでは平日の夜に月１回のペースで開催されている。初回は「仏教とは何か」という基本的なテーマで始まり、そこから悟りにいたるための修行を指す「六波羅蜜」や「般若心経」に関することなど、より具体的な内容に移っていく。

　「仏教の教えは実生活にも生かせる」と語る山本住職。講座では分かりやすい言葉で、仏教の中でも私たちに馴染みのない部分を説明している。例えば「三慧（聞・思・修）の教え」は「正しく学ぶ方法」を説いている。「聞（教えをよく聞くこと）」「思（聞いた教えについて考えること）」「修（理解した教えを心に刻み込み、実践すること）」という３つを意識することで、得た知識を深く理解して生かすことが可能になるという。

オンラインで、どこでも受講可能

　2025年の２月から始まる「やさしい仏教講座『リモート夜学版』」。受講者はZOOMアプリを使用して参加し、当日のテキストはＰＤＦで配布される。講座は録画されるので、欠席した場合や復習をしたい場合は後から見返すことが可能。参加費は、お布施として1000円を目安に、受講者が事前に同院の銀行口座へ振り込む方法を採っている。

詳細は以下の自性院ホームページから

まなびや各種教室案内


https://jishouin.info/event/

仏教講座


https://jishouin.info/event_category/bukkyou/

アクセス

上大岡駅(京浜急行／市営地下鉄)より徒歩約15分
大久保町バス停より徒歩約３分
別所インターチェンジより車で約５分