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公開日:2011.01.20

フリーダイバー石渡さん
人を想い、己に勝つ
「目標30m」掲げ、めざす世界の海

  • 07年沖縄大会でトレーニング中の石渡さん(=上/撮影・篠宮龍三選手)。本番(コンスタントウェイトウィズフィン)で当時自己ベストの20mを達成した瞬間

  • 石渡素子さん

 フリーダイビング日本代表選手として、一昨年11月のバハマ世界大会に出場した石渡素子さん(36)=川井本町在住。世界大会への再チャレンジを見据え、今年5月の日本選手権(館山市)に向けて再始動している。



 本番のブラックアウト(失神=記録なし)はゼロ。順位や結果を追わず、自己ベストを更新し続ける―。そんな石渡さんは言う。「フリーダイビングは命にかかわるスポーツ。人と比べて順位を気にするよりも、自分と向き合うことが大切」



 小学生のころから中学まで水泳一筋。趣味のスキーは競技歴30年で、アルペンでは国体予選出場も果たした。広告代理店や出版社勤務などを経て、4年前からフリーライターに。スキー関連の執筆活動の傍ら、スイミングインストラクターとして地元で幅広い世代と交流を深めている。



 フリーダイビングを始めたのは32歳のとき。元日本記録保持者で女優の高樹沙耶さんに惹かれ、直接指導を受けた。その後ハワイや沖縄などで練習を積み、国内大会で結果を出して世界への道を切り開いた。



 種目は足ヒレをつけずに素足で泳ぐ「コンスタントウェイトウィズアウトフィン」。4年前、スロベニア大会で初の日本代表を経験。09年バハマ世界大会では、出発前に突発性難聴にかかり、棄権も考えたが「楽しんできなさい」という母親の一言に背中を押された。当日は本番直前に急性胃腸炎を患いダウン。それでも女子13人中9位、21mの成績をあげることができたのは、「支えてくれた両親や(スイミングの)生徒たちのおかげ」と胸中を明かす。



 「今後も(生徒に)泳ぐ楽しさを伝えたい」。記録がすべてだった競泳時代とは違い、ライバルの失敗さえ気遣う「思いやり」がそこにはある。夢はスポーツ、執筆活動を通じて、発展途上国や国内過疎地を元気にすること。「フリーダイビングで自分の夢がかなったので、次は世界中の人の夢をかなえたい」。その視線は、海の向こうに広がる世界をそっと見つめている。

 

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