戸塚区版 掲載号:2017年9月7日号
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8月6日から3週間、スリランカへ訪問し、野球道具を現地チームへ寄付した藤倉 隆彦さん下倉田町在住 72歳

偶然が生む豊かな人生

 ○…使わなくなった野球道具を募り、スリランカの少年チームへ届けてきた。5年前、日本の国際協力機構の支援で野球場ができたが、素手で練習する子も多く「なんとかできないか」と始めた活動だ。現地には、明日の自分の食料を惜しまず訪問者に与えるような、おおらかな人が多く「贈ったものよりも、それ以上に貰ったものの方がはるかに大きい。これは支援でなく交流だと思う」と話す。

 ○…この取り組みを企画したのは、スリランカの支援活動を行う「ワンワールド・ワンピープル協会」。副会長を務め、30年にわたり活動を行っている。開始3年は金銭的な支援が中心だったが「やはり現地を見たい」と翌年、寄付によって幼稚園が建った村に訪れた。待っていたのは温かく歓迎する人々と柔らかい視線。「全身に鳥肌がたち、涙腺はパカーンと開かれ、乾いた土に大粒の涙がしみ込んだ」と豊かな語り口で振り返る。以来「現地での出会いが重要」と、大学生ら若者とともに野球道具を直接手渡しに行くほか、井戸やトイレを現地の人と共に作るなどの交流を続ける。

 ○…日立製作所の電線部門に勤めた。英語が不得手にも関わらず海外部門を任され、寝る間もなく働いた。「こんな生活で良いのか」と立ち止まり本を読み漁っても、答えは載っていない。そんな折にたまたま出会ったのが同協会の会長だった。スリランカには興味はなかったが、会長の笑顔に引き寄せられるように会社勤務の傍らで参加。同志やスリランカの人々との出会いを重ね、企業戦士の鎧は徐々に取り払われていった。

 ○…趣味はスリランカの名産でもある紅茶を楽しむこと。心底うまく入れられるのは年に一回程度で「季節や自分の体調など様々なことが偶然一致して生まれるもの」と語る。「偶然」を大切にする態度はスリランカ訪問時も同じだ。「あえて計画を立てすぎない。思わぬ出会いが人生を豊かにしますから」とほほ笑んだ。

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