かつて栄区小菅ケ谷の春日神社例大祭で担がれていた神輿が、海を渡ってヨーロッパで担がれている。小菅ケ谷出身の宮田宣也さん(30)が中心となり、日本の伝統文化を広めようとする取り組みの一つ。6月4日にはドイツのベルリンで開かれる祭りに参加予定だ。
宮田さんは高齢化などの影響で地元の春日神社の例大祭が衰退していることを危惧し、日本文化を広く伝え若い世代に継承していく目的で有志団体「明日襷(あしたすき)」を設立。代表を務め、2013年から神輿や文化財の修復、祭礼の運営支援などに取り組みながら、全国各地の祭りに参加している。
海外へ出るきっかけとなったのは、東日本大震災の被災地・宮城県石巻市での祭礼支援だった。支援に協力したフランス企業とつながりができ、14年に感謝の気持ちを示そうとフランスで神輿の渡御を企画した。
神輿は宮田さんの祖父・鐘司さんが制作し、同神社の倉庫で保管されていたものを使用。20年ほど前まで春日神社の例大祭で担がれていた神輿が、宮田さんらとともに渡仏し、現地住民と一緒に再び担がれた。
さらに昨年5月には世界各国の文化が紹介されるドイツ・ベルリンでの祭典に参加。同祭典にはそれまで日本からの参加はなく、宮田さんは「現地の人が日本の文化を受け入れてくれて、すごく楽しそうに担いでくれた」と振り返る。
現在、神輿はフランスで保管されており、今年は6月4日にドイツ、11日にフランスで渡御を予定。現地への出発を前に5月13日には、参加メンバーらが集まって春日神社へ参拝した。
各地での経験をいずれは地元へも還元したいと考えている宮田さん。現在は茨城県に拠点を置くが、月に何度かは栄区へ戻り、毎年開かれる春日神社の例大祭の運営にも携わる。
宮田さんは「現地の期待に応えて昨年以上に盛り上げたい。地元・春日神社の方ではいずれ青年会を作り、大切な文化を継承していければ」と話している。
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