坂戸御嶽神社(坂戸)で11月23日、秋の収穫を祝う宮中祭祀のひとつ「新嘗祭」が執り行われた。同神社の関係者によると新嘗祭が執り行われるのは「記憶にある限りでは初めて」。6年前の修繕を機に地域住民がさまざまな神事や祭りを行っている。
新嘗祭には坂戸御嶽神社の責任役員や地域住民など6人が出席。拝殿で執り行われた神事では、神職が祝詞を奏上し、新穀をささげ収穫に感謝した。同神社の責任役員のひとり、高橋邦禎さん(77)は「新嘗祭は宮中祭祀の一つで非常に重要な祭礼。この坂戸御嶽神社で執り行えたことを誇りに思う」と話す。
地元力で参拝者増
神奈川県神社庁によると同神社で奉られているのは御嶽大神と日本武尊。創立年代は不詳だが、1851年に社殿の新築をしているという。
神職が常駐しない無人の神社だが、節分祭では投げ餅や地元野菜などの即売会、秋の宵宮祭には演歌歌手を招いたカラオケ大会などを5、6年前から実施。毎回地域住民2、300人が参加するなどにぎわいをみせている。
「以前はこれほど大々的に行っていなかった」と責任役員のひとり、前島幸雄さん(67)は話す。契機となったのは6年前の神社の修繕。住民の「神社の落書きが気になる」という声を受け社殿や参道を1千万円以上かけて修理した。
「もともと、地域の氏神様をもっと盛り上げたいという気持ちがあった」と高橋さん。責任役員を中心にこれまで執り行っていなかった神事を始め、祭は地域住民が参加してより楽しめるよう企画を増やした。祭りでさまざまな企画を出す前島さんは「せっかくやるなら、徹底的に。みんなを楽しませたい」と話す。
参拝者は修繕前の倍に増えたという。高橋さんは「人が集まれば神様も喜ぶ。神社に関わる後継者も少しずつ育てていきたい」と話す。
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