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伊勢原 人物風土記

公開日:2011.03.04

第31回伊勢原ホルスタインショーで最高位を獲得した
亀井 俊正さん
下谷在住 60歳

アスリートの意識で



 ○…乳牛飼育の道を歩んで40年。これまでこつこつと磨き上げてきた熟練の技と豊富な経験、そして確かな自信を持って臨んだ伊勢原ホルスタインショー。最高位の獲得は自身3度目となる快挙。「毎日の餌やり、ふんの処理、日々の健康管理。地道な飼養管理が結果につながった。素直にうれしい」。グランドチャンピオンの称号を得た2歳牛と喜びを分かち合う。



 ○…今大会にはライバルと目していた牛が2頭いたものの、「自分の飼養管理には自信があった」と振り返る。仕事のうえで大切にしているのが「まじめさ」。牛の健康管理に欠かせない飼料と牧草の調合から牛舎の清掃まで手を抜かない。その姿勢を支えるのはアスリートの意識という。「一流のスポーツ選手は常に精進という心持ちでいる。たった1日でも練習をさぼると、元のコンディションへ戻すのに多くの時間がかかるのを知っているから」



 ○…下谷に生まれ、小中学生のころから将来の仕事として酪農業を意識した。中央農業高校を卒業後はイギリスに渡り1年半の間、酪農を学んだ。帰国後は、今日に至るまで実家の牧場で牛の飼養管理に日々汗を流してきた。朝6時には仕事を始め、日付が変わるころに帰宅の毎日。現在も休みはほとんど取らない。「まじめに仕事をやり切った時の達成感がたまらない。趣味もないし余暇も特に必要ない。仕事命だよ」



 ○…先月、還暦を迎えた。「60歳を超えたって定年退職はないよ。これまで通り牛とまじめに向き合うだけ」ときっぱり。これから先にはまだまだ仕事が続く。それは次の世代に酪農のたすきをつなぐこと。「自分の背中で後進を指導するわけだから、一秒たりとも手は抜けない。若い人たちが伊勢原の素晴らしい酪農を引き継いでいってくれたらうれしいよね」。アスリートの表情が少しほころんだ。

 

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