湯河原ミカンの新・活用法!? 皮むきはアートだ
ジュースやママレードに次ぐ湯河原ミカンの活用法は「アート」なのかもしれない。湯河原のミカン問屋・石澤秀樹さん(38)は2年前に一冊の本に出会い、人知れず皮むきアートを実践している。「あたらしいみかんのむきかた」はミカンの皮をまるごと使った「むきかた」教本。昆虫や魚、干支など、もともと球体だったとは思えない作品群が紹介されている。著者の岡田好弘さんは四角い1枚から様々な造形を生む「折り紙」にヒントを得てこの皮むきを思いついたという。初心者は本を見ながらマジックで下絵を書くとむきやすい。石澤さんも最初は腕の付け根がちぎれてしまったりと苦労を重ねたが、仕事がミカン商だけに今ではベテランの腕前だ。
昨年末、福島県の小学生とその家族14組が「青空プロジェクト」により熱海市に招かれた際は、自宅で楽しんで、とミカン14箱にこの本を1冊ずつ入れてプレゼントしたという。「昔に比べると最近の子は果物離れしている。皮むきアートをきっかけに、一つでも多く手にとってもらえれば」と期待を語った。