子育てをテーマにアマチュア落語家として地域で講演を重ねる 三澤 真由美さん 長津田町在住 55歳
子育ての悩み、笑いで解きたい
○…「講演会みたいに構えない雰囲気の中で、子育て中のお母さん、お父さんたちにメッセージを届けられたら」。保育士、幼稚園教諭の免許を持つ異色のアマチュア落語家として地域で落語を披露している。親子が登場する噺を中心に、笑いあり、涙ありの人情の世界へと観客を引き込む。「今も昔も親と子は面白い。登場人物のふとした会話の中から、それぞれに子育てのヒントを受け取ってもらえれば」
○…自身の子育てが一段落したのを機に国会議員の秘書となった。50歳の節目を迎えた時、「自分だからこそ出来る社会貢献がしたい」と一念発起。退職し、大学で保育について学ぶことを決めた。自分が長い間一生懸命取り組んできた子育ての経験を活かし、その道を極めてみたいと思ったからだ。大学では子どもほど歳の離れた同級生から「ママちゃん」と呼ばれ人気者に。卒業後は学童の書道講師として勤める傍ら、もっと地域に寄り添った子育て支援のかたちがないか模索する日々が続いた。
○…落語を本格的に始めたのは2年前。昔から落語ファンとして高座にも通っていたが、心に残るのは決まって親子が登場する人情噺。面白おかしく会話を重ねる親子の姿に子育ての真髄を見た気がした。「これだ、と確信した」。落語芸術協会の門を叩き、現在は三遊亭遊馬師匠のもとで研鑽を積む。
○…興味のある事には自ら飛び込まずにはいられない性格。地域で子どもを守り、育てる仕組みが伝統として残る秋田県の「なまはげ」文化に魅了され、「なまはげ伝道師」の認定を取得。この文化をうまく落語にできないかと新作落語の創作にも挑んでいる。「自分で落語を創るなどまだまだ夢のまた夢だが、いつかは皆さんにお披露目したい。子育て世代が噺を聞きながら笑い、そっと肩の荷をといてくれたら。そんな”落語家おばちゃん”になれればと思うの」
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