緑警察署の署長に就任した 阿部 篤さん 白山在住 57歳
「区民のため力を出し切る」
○…9月4日付で緑警察署の署長に就任。組織犯罪対策本部の国際捜査課や、鑑識課などを経て、初めての署長職となる。緑区への赴任も初で、「自然豊かで環境に恵まれている」と区の印象を話す。「地域住民は協力的。人情味があってあたたかいですね」。抱負として、区内で増加傾向にある振り込め詐欺や交通事故への対策を掲げる。「どちらも高齢者に関係しているものなので、撲滅に向けた、働きかけをしていきたい」
○…山形県出身。警察官を志したきっかけは、中学から始めた柔道だった。実力は高校でインターハイに出場するほど。指導してくれた人が警察官だったこともあり、自然とその道に憧れを持った。高校卒業後、「野心を持って」と上京した先は、都会で自然も豊かな神奈川県。「観光地などがあり魅力的だった。親戚がいたことも大きかったかな」と当時を振り返る。最初の赴任先は鶴見区で、それ以来横浜市民だ。「もう今ではここが第二の故郷です」
○…リラックスできる瞬間は運動しているとき。続けている柔道の道着を見せ、「5段だよ」と笑みをこぼす。趣味はジョギングや散歩で、現在、単身赴任先の公舎からは歩いて出勤しているという。県警本部に勤務しているときは2時間かけて歩いたこともあったとか。現在、家族とは離れて暮らし、たまに会う1歳半の孫娘を可愛がる。「この冬には、2人目の孫が生まれる」と好々爺の表情に。「やっぱりかわいいもんです」
○…39年間の警察官人生で強烈だった出来事として、東日本大震災を挙げる。検視官として2週間ほど被災地に出向き、遺体の身元特定に関わった。「朝から晩まで遺体を見る。ついさっきまで生きていたような表情を見ると、何とも言えない気持ちでした」と静かに語る。さまざまな経験をした今。残る警察官人生を「区民の生活を守るために力を出し切りたい」と強く誓う表情は正義感に溢れていた。
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