(PR)
匠の世界、次代へ繋ぐ 株式会社遠藤製作所
ものづくりに関わりはや半世紀。激動の時代を乗り切ってきた株式会社遠藤製作所(上山1の5の3)の向後英夫社長に話を聞いた。
「自分の腕で勝負したい」
昭和31年に初代社長である遠藤真作さんが有限会社遠藤真製作所を設立。その後、昭和37年に現在の社名に変更し、本格的に板金の製作業務に取り組み始めた同社。向後社長が入社したのは、昭和44年だ。大手製造業を辞め、まだまだ小さい会社だった遠藤製作所に飛び込んだ向後社長。「大手企業は安定していた。でも、大手で歯車のように働くのは、嫌だった。小さな会社で、自分の磨いた力を試したかった。一生、ものづくりの世界で生きていきたいと思っていた」と当時の率直な思いを語った。
役に立つ喜び感じる
入社した頃は、高度経済成長の真っ只中。多くの高層ビルの建設が進んでいたという。そのようなビルの中に設置する空調機器の板金製作の仕事を引き受け、会社は大きく成長を遂げていった。
その後、大小様々なサイズの板金などの製作を幅広く手掛けるようになっていく。長い付き合いの取引先も多いという。高品質で納期を徹底して守ってきたことが、長い信頼関係を築けてきた理由だ。緑区役所や横浜ランドマークタワー、東京都内の高層ビルなどの空調機にも同社の板金が使用されているという。「自分たちの作ったものが役に立っているのは大きな喜びだ」と向後社長。
従業員は会社の宝
社長に着任したのは、バブル崩壊直後。「厳しい時代だった。だが、経営の分からない点などを近隣のものづくり企業の先輩社長たちが丁寧に教えてくれたことで、乗り切ることができた」と感謝を口にした。
さらに厳しい状況に陥ったのは、平成20年に起こったリーマン・ショックだ。「従業員は会社の宝。従業員、その家族を絶対に守る」。向後社長の決意は揺るがなかった。そのような社長の強い姿勢もあり、従業員が一丸となり危機を乗り切った。誰一人として、会社を去った人はいなかった。
受け継がれる思い
令和時代を迎えた。
「最も力を入れたいと考えているのは、人材育成。社員の成長こそが、良いものづくりの礎だ」と向後社長は意気込む。
社長就任以来、ほぼ毎日朝礼に顔を出すのがこだわり。一人ひとりに声をかけることを心掛けているという。「昔は『技術は見て盗め』という雰囲気だったかもしれない。でも、今は、ベテランや若手関係なく、コミュニケーションをしっかりととり、技術を見える化し、次へ引き継いでいくことが大切」と前を向いた。
日々、難しい仕事に挑戦し、作り上げた喜びをかみしめる同社の社員たち。「従業員が思いっきり働ける環境を作り、匠の世界を次代へつなぎたい」。令和時代も思いは受け継がれていく。
|
|
|
|
|
|