「やさしい日本語講座」で初めて講師を務める 岸本 美代子さん 寺山町在住 41歳
相手の気持ちに立ち伝える
○…「記入してください」ではなく「書いてください」--。「少しの言い換えで、外国人に分かりやすく情報や気持ちを伝えられる」と笑顔を見せる。「正解はない。相手の気持ちに立って『伝えよう』とするのが大切」と述べ、講座の準備に余念がない。日本語教師として、長年にわたり活躍してきた経験が買われ白羽の矢が立った。講座では、実際の会話をやさしい日本語に言い換える実践練習などを行う。「やさしい日本語で外国人に気軽に話しかけてくれる人が増えたら」
○…英語などが堪能だった母親は地域で日本語を教えていた。家には頻繁に外国人が来る環境で育った。大学時代は、留学生たちと一緒に学校行事などの企画運営を手掛けた。「異文化に触れることは新しい発見の連続。世界観が広がって、本当に面白い」と笑う。
○…結婚後、夫とシンガポールに移り住み、現地の日本料理店で働いた経験も。そこでは”自己流”で日本語を外国人に教えていた。「楽しさもあったけど、教える難しさも知った」と振り返る。帰国後に猛勉強の末、日本語教師の資格を取得し、プロとして歩み始めた。現在は、大学などでも留学生に教えている。「反応は一人ひとり違う」といい、日々試行錯誤の連続だという。「先生のおかげで日本語が好きになった」。そんな言葉をかけられることが大きなやりがいだ。
○…区内では、ボランティアの日本語教室「ペンギンクラブ」にも所属し、地域でも活躍の場を広げている。「子どもの学校のプリントが読めない」など、些細な困りごとの相談にも乗っているそう。逆に、各国の料理を教えてもらうことも。「お互いの子育ての悩みを打ち明けたり。自分自身にとっても、ここが大切な居場所なんです」
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