長年、中山地域ケアプラザでの「歌声ハーモニー」でアコーディオン演奏者を務めている 新井 幸子さん 埼玉県在住 80歳
歌い手に最高のひと時を
○…心震わすアコーディオンの音色に、多くの人々の歌声が重なる。毎月第4水曜日、中山地域ケアプラザの一室で開かれる、歌唱を楽しむ催し「歌声ハーモニー」。初回からアコーディオン演奏者を務め、9月で140回目を迎えた。伴奏だけでなく、歌詞の解説や歌い方のアドバイスにも精力的。「音楽って誰にでも身近で、自分を表現できるもの。大きな声で歌うと心身の健康にも良いんです」。歌い手たちの充実した笑顔を見ると、伴奏者冥利に尽きる。
○…長野県出身。終戦を経た子どもの頃「皆で歌でも歌おう」と誘う母の一言が、音楽に惹かれる契機になった。家族で歌うと「お腹は減っているけれど、心は満たされていった」。中学、高校では音楽部で主にピアノを担当。上京して合唱団に入団すると、指揮者に勧められ、20代前半でアコーディオン演奏を始めた。最初はあまりの難しさに苦労を重ねたが、弾き方が分かると「こんなに理にかなった楽器はない」とのめり込んだ。
○…退団後は長年、都内の生協に勤務。商品を魅力的に見せる売り場の整備などに携わった。やり甲斐を感じつつも、定年退職の数年前「何かほかにやりたいことを探そう」との思いから、再びアコーディオンを手にした。より美しい演奏を目指して研究を重ね、60代で国際コンクールに挑戦すると、シニアの部で1位を獲得。実力の高さを国内外に示した。
○…現在は孫を含めた4人暮らし。約10kgの愛用のアコーディオンを抱え、伴奏者として神奈川、東京、埼玉などのさまざまな会場で演奏を続ける日々だ。きゃしゃな双肩にのしかかる楽器の重さなんて何のその。「弾けなくなるまで弾き続け、歌い手と一緒に年を重ねていきたい」
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