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緑区 人物風土記

公開日:2025.03.20

緑区フォトコンテスト2024で、森日出夫最優秀賞を受賞した
南部 秀雄さん
中山在住 74歳

レンズ越しに景勝求めて

 ○…冬場は空気が澄み「富士山がきれいに見えるのは分かっていた」。昨年11月27日、愛用の一眼レフカメラを手に鶴見川へ。鴨池大橋近くで構え、好機を待った。夕焼けの空、遠くに美しくそびえる富士山。ただ「人がいなくなってしまった。人が写っていないとドラマが無い」。同じ場所で粘ること15分ほど。ついに1組の親子が通りかかり、すかさずシャッターを切った。『夕暮れ時(ゆうぐれどき)』と名付けたこの1枚が、緑区フォトコンテスト2024で、自身初の森日出夫最優秀賞に輝いた。

 ○…福岡県生まれ。父の仕事の関係で、小1で川崎市に転居した。写真が趣味という父は自宅に暗室を設けており、自身も父の現像作業を見たり、手伝ったりするうちに写真の魅力に惹かれていった。10代から主に風景などを撮り、初孫が誕生してからは成長の様子を撮影した数多くの写真を「アルバムにして毎年孫に贈った。それが楽しみだったね」。

 ○…20歳で緑区役所に入庁後、12年ほど勤務。65歳まで市内のさまざまな区役所に勤め、市民の安全安心の暮らしを支え続けた。写真だけでなくスポーツも好きで、小学生時代、川崎市内の少年野球大会で最優秀選手賞を受けたことも。現在は愛妻と一緒に週1回、中山小学校でのソフトバレーボールの練習に汗を流す。「7、8年くらい続けている。これが楽しみなんです」と微笑む。

 ○…緑区フォトコンテストには10年以上前から応募を続け、度々入選。今回は初の最優秀賞に加え、地域の神社で撮影した作品『宵宮(よいみや)』が佳作に選ばれた。表彰式会場は、現庁舎完成時からの思い出の詰まった緑区役所。「何か縁があるのだと思う。今年もフォトコンテストに応募しようかな」

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