緑区 社会
公開日:2025.11.13
「知識と意識」で被害を未然に防ぐ
本田悦二郎/緑警察署長
緑警察署長着任早々から、区民への情報発信力強化に取り組んできた本田悦二郎署長。「警察の抑止力にも限界がある。犯罪者は巧妙に手口を変化させるので、タイムリーでフレッシュな情報をあらゆる媒体を活用してお届けしていく」と語る。
これまで、詐欺による送金を防ぐため「最後の砦」となる地域の金融機関やコンビニと連携を深め、疑うべき項目を記した独自のチェックシートを作成して配布した。その成果として配布先の従業員の防犯意識が高まり、実際に何件もの振込詐欺を未然に食い止めている。また同様のチラシでの周知は、自治会の回覧板を通して区内約5万5000世帯にも広げられている。本田署長は「固定電話付近に貼っていただき、不審な電話を受けた際はチェックシートで確認して、被害を防止できたら」と活用を呼び掛ける。
チェックシートは、自らの顔を出すなど署長からの啓発であることを前面に押し出した。その工夫により、受け取った人にもメッセージが伝わりやすいという。
近年は自動車盗の手口も新しくなっている。今年の緑区内における自動車盗の発生件数は10月末までに27件で、前年同期比15件増。特に「CANインベーダー」による被害が多発しているという。CANインベーダーという機器を自動車の左前輪付近につなぐと車を制御するコンピューターに侵入可能で、ロック解除やエンジン始動を行うことができる。犯行に要する時間は5分程度という。
本田署長によると、犯行を防ぐにはその手口を知り、意識して対策を講じることが大切という。「キーワードは『知識と意識』。警察からの情報で知識を深め、意識して行動に移していただくことで防ぐことができる」と強く呼び掛ける。
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