港北区 人物風土記
公開日:2014.01.23
「帝国ホテルアーケード杯 スイーツアートコンペティション」で金賞を受賞した新横浜「ラ ピエスモンテ」パティシエ
菅原智大(ともひろ)さん
鎌倉市在住 28歳
美と味に挑戦し続ける
○…「もともとアンティーク調のデザインが好きで、今は時計のモチーフに凝っているんです」と穏やかな語り口。その時計を用いてデザインした繊細かつ優雅な飴細工で金賞を獲得した。「皆さん工夫された作品を出されていたので、その中で最優秀賞を取れて嬉しいです」と喜びを語る。
○…同コンテストの応募は2回目。今回掲げられたテーマは「モダン・ノスタルジー」。昨年4月ごろから懐中時計をモチーフにしたいと思っていた。「見てもらった時の驚きを考えながら、自分の中でテーマを決めて取り組むのが私の手法です」。約1週間、製作に没頭した。砂糖を煮詰め、それぞれのパーツを作り、組み立てる。飴細工は振動や熱に弱く、こうしたコンテストでは運搬中や会場で壊れ、出展できなくなるケースもあるという。自身も受賞後、作品が熱で溶けるなどして2度同じ作品を作り直している。
○…繊細な菓子とはうって変って、作業は体力勝負。飴細工の場合は特に熱く、力が必要でマメもできる。だがより上を目指したいと2年ほど前から仕事の後の時間を使ってコンクールに応募するように。働いている洋菓子店「ラ ピエスモンテ」での商品作りも含め、「同じレシピで作っても季節などの条件によって同じにならないこともある。やってもやっても毎回課題が見えてきます。ずっと挑戦なんです」。製菓を通して挑戦し続ける生き方が合っているようだ。
○…受賞作品を筆頭に店内には美しい菓子やケーキが並ぶ。製造責任者として、製菓のほか商品の考案やディスプレイを担い、「仕事が趣味」というほどデザインや味を考案することが好き。イチジクを使用したくて佐賀まで食材を見に行ったことも。季節によっては綱島の桃を使ったケーキを作ることもある。「将来はいつか自分のお店が開けたらいいなと思います」。これからも美と味の洗練に挑み続ける。
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