ラグビーの親善試合中に突然スタンドで大規模な爆破音が響き、白い煙が立ち上がった――。
これは日産スタジアムで9日、国・神奈川県・横浜市共同で行われたテロ対策訓練の模様だ。
日スタで爆破テロが発生し、約2000人の死傷者が発生したことを想定して行われた同訓練。県警本部のほか横浜・川崎・相模原各市消防局や港北消防団、陸海空自衛隊、各種医療機関などが参加した。
訓練開始直後には、数100人の観客役の一部がスタジアムの外へ逃げ出すなど、本番さながらの場面もあった。その後、西ゲート付近に港北警察署や横浜消防局が指揮本部を設置。スタンドで倒れている負傷者や、逃げる際に階段で将棋倒しになった負傷者らを次々と外へ運び出し、患者の重症度によって治療の優先度を決定して選別するトリアージを実施。選別した負傷者を近隣の横浜労災病院への救急搬送訓練も行われた。さらに、崩落した天井の下敷きになった要救助者がいることを想定し、特殊工具を使用し救出する光景が見られた。
また、スタジアム内には危機管理対策本部が設置され、机上でシミュレーションを行う「図上訓練」も同時に行われた。近隣の横浜アリーナでの生物剤散布や、赤レンガ倉庫での襲撃犯による立てこもり事案などを想定した。
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