神奈川県議会の第３回定例会が９月８日から12月18日まで開かれました。定例会の前半は総額約49億２３００万円に上る補正予算の審議です。県民生活と経済の安定強化、未来に向けた強固な基盤づくりに向けてあらゆる角度から対策が進んでいきます。その一端をご紹介していきます。

中小企業等の支援

　まず、日産自動車の生産縮小等や米国関税問題という不測の事態を受けた地域の中小企業に対する支援です。その資金繰りや設備導入のほか、新分野に取り組む自動車関連企業の支援も盛り込んでいます。

病院経営が危機

　続いて物価高騰等により深刻な経営危機に直面している病院への緊急支援です。病院は「いのちを守る」場所です。地域の医療提供体制を維持するため、救急病院に対する給付金の支給や、病院の経営相談窓口の設置が打ち出されました。

県立福祉機構設立

　福祉分野に目を向けると、中井やまゆり園の運営を「神奈川県立福祉機構」へ移行し、福祉人材の育成も一体的に進めていきます。「ともに生きる社会かながわ」は神奈川県の重要な指針の一つです。誰もがその人らしく、安心して暮らすことができる地域を実現するため「福祉を科学する」議論を進めています。

ＤＶストーカー対応

　後半の審議では、まずガソリン税等の暫定税率廃止に伴い、県は約１１０億円の減収が見込まれるため、減収分の確実な確保を国に対して強く働きかける姿勢が示されました。

　社会的な課題への対応も重要議題となりました。川崎市でストーカー被害を訴えていた女性の命が失われた事件がありました。特別チームを結成し、支援の充実に向けた検討を進めていますが、被害者がどこからでもワンストップで支援に確実に繋がる仕組みの構築を進めていきます。

地震防災対策

　能登半島地震の復興支援で任期付き職員15名を石川県へ派遣していますが、活動を通して被災地支援のノウハウを蓄積しています。このほか、災害時の即応体制強化のためヘリコプターをチャーターし、広範囲の情報収集を短時間で行うことができる体制を整えます。その他、ありますが一般会計で２億１千万円の追加補正となりました。

　さらに、このほか人事委員会からの勧告を踏まえて県職員の給与を増額する補正もありました。

　本年の定例会が終わりましたが、よりよい地域づくりに休みも終わりもありません。引き続き、広い視野でモノゴトの本質を見極め、全体の変革へとつなげて参ります。

杉本とおる事務所

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