福島県双葉郡浪江町の現状や故郷への思いなどをまとめたドキュメンタリー映画「ひとと原発〜失われたふるさと」の上映会が3月11日(木)、青葉公会堂で開かれる。
東電福島第一原発事故の被害を風化させることなく、未来に語り継ぐために制作された同映画。出演する13人のうちの1人が、青葉区在住でNPO法人WE21ジャパン青葉の代表の伊藤さんだ。
結婚を機に浪江町に移住し、原発事故で青葉区に避難した伊藤さん。映画を通して「自分たちの問題として見てほしい。誰もがいつ突然家を失うことになるか分からない」と話す。
10年前のあの日、当たり前の日常が震度6強の地震と原発事故によって一変した。何も持たずに自宅を飛び出し、ようやく自宅に帰れたのは4月。防護服に身を包み、バリケードを超えて町に入った。「すごいところに行くんだな」。改めて放射線の恐ろしさを実感した瞬間だった。
2017年に避難指示区域が解除され、夫は昨年浪江町に戻り、伊藤さんも月に1度帰る。故郷は工場やスーパーができて復興しているように見えるが、住んでいた場所は10年前のまま。一般住民はほとんどおらず働く場所もない。一方、10年近く過ごした区内には知り合いが増え、仕事もある。「今も(浪江町に戻るか)迷っている」
映画で語り継ぐ
映画はインタビューのほか、浪江町の様子も記録されている。上映後には同映画の板倉真琴監督と伊藤さんの対談も行われる。午後1時〜4時(開場30分前)。参加費無料。定員は会場、オンライン共に30人。申込・問い合わせは【メール】mariitonamie@outlook.jpへ。3月6日締切。
「原発賛成・反対ではなく、今後の日本のエネルギー問題をみんなで考えなければならない。そのきっかけになれば」と力を込めた。
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