港北区産の浜なしを100%使ったスパークリングワインがこのほど完成した。味は問題ないが、規格外で出荷できない浜なしを活用したもので、企画・販売するテンブレイン(株)=青葉区=の高橋栄治郎取締役は「農家支援とともに新しい横浜ブランド商品として認知度を上げていけたら」と話している。
ワインの名称は「浜なし Sparkling Wine 2021 こうほく」。甘口と辛口の2種類で、さっぱりとした甘みが感じられる味に仕上がったという。
元々、横浜のブランド果実である浜なしのファンだった高橋取締役が「ワインの原材料に使ったらおいしいのでは」と思い立ったのがきっかけ。昨年に農家を営む田中勝哉さんの協力を得ながら試作する過程で、規格外で廃棄せざるを得ない浜なしが大量にあることを知り、農家の収益にもなればと原材料に使用することを思いついたという。
今年は田中さんら4農家から果肉が柔らかく、食感が変わってしまった規格外の浜なし「豊水」を320kg分買い取り、長野県の醸造所で生産。フルボトル換算で240本分が11月末に完成した。
協力した農家の1人は年によっては3割近くが廃棄となる現状を説明した上で「甘味は全く問題なく、一生懸命育てた浜なしを捨ててしまうのは忍びなかった。農家としても廃棄の手間が減り、収入となるのはありがたい」と歓迎の様子。高橋取締役は「浜なしのブランド価値を高める商品として、今後はさらに市内の農家やJA横浜に協力を依頼し、取扱高を増やしていけたら。将来的には市内のお祝い事に使われるくらい認知度を高めたい」と夢を語った。
今年生産分の一般販売はなし。地元食材にこだわりを持つ飲食店向けに少量在庫あり。同社 hamanashiwine@gmail.com
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