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港北区版 公開:2022年9月1日 エリアトップへ

大豆戸町八杉神社 誕生の謎を紐解く 貴重な文化財も発見

文化

公開:2022年9月1日

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文化財調査で、神額の説明を行う村上さん(左から2人目)
文化財調査で、神額の説明を行う村上さん(左から2人目)

 大豆戸町にある八杉神社(照本禎宮司/大豆戸町239)は、有志によって文化財やその歴史の研究が進められている。このほど、神額や神像から、長年不明だった神社誕生の手がかりが見つかった。研究の中心となっている村上芳信さんは「どの資料にも載っていない新たな発見。魅力あふれる歴史や文化財を地域に発信していきたい」と話している。

素朴な疑問が契機

 71年前に、現在と同じ所在地にあった八王子社に杉山神社(ルームズ大正堂新横浜店付近)が合併して誕生した八杉神社。しかし八王子社の誕生など、それ以前の歴史は多くが不明のままだったという。

 約2年前に転機を作ったのが村上さん。当時、地域の無料学習塾を主宰していた村上さんが、合格祈願で同神社を訪れた際にその歴史に興味を持ち、塾の会報の企画として調べ始めたのがきっかけだ。昨年からは、村上さんの活動を知った同神社奉賛会の副会長小谷田作夫さんも加わり、社殿に眠っていた文化財の調査や関係者へのインタビュー取材なども行い、徐々にその謎を紐解いていった。合併後70年の節目となった昨年には、神社と地域の歴史などをまとめた記念書籍も発行。村上さんは「神社の歴史を通じ地域を知り、郷土愛を深めてもらいたい」と研究への思いを語る。

横浜市の調査も

 書籍発行後も調査を進めるなかで、このほど八王子社の歴史を知る貴重な手がかりも発見した。社殿の天井付近に釘で留められた木製の板を外すと、それは鳥居などに掲げられる「神額」であることが判明。水で長年の汚れを丁寧に落として読解すると、「八王子大権現」の文字や、奉納日として「天保十二年」の文字が確認できたという。「神社の名前の由来は、アマテラスとスサノオの子の”八人の王子”をまつる八王子信仰で、天保12年に建立されたのではないかと考えられる」と村上さんは分析する。

 神額などの文化財の発見やその研究を進める中、8月23日には、横浜市文化財調査も実施された。当日は、横浜市教育員会や有識者らが社務所を訪問。神額や神像などの文化財や、神社に所蔵されていた地域に伝わる「大豆戸囃子・神楽」の太鼓や面などを細かく調べた。今回の結果をもとに、さらなる調査・本調査の実施も検討され、その結果次第ではあるものの、将来、市の文化財に指定される可能性もあるという。

 「神社の歴史は地域の歴史。専門家による調査で、その詳細が明らかになるのは大変有意義なこと。市の調査対象になったのも、村上さん・小谷田さんが地道な研究を進めていたおかげ」と話すのは、大倉精神文化研究所の平井誠二理事長。80歳となった村上さんも「人生の集大成にと思って取り組んできた。地域の人々にも神社の歴史的価値を知ってもらい、後世に継承していけるように、今後も調査を進めていきたい」と語った。

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