師岡熊野神社
｢いの池｣循環システム整備
竣工奉告祭に関係者多数

取水口のお清めをする石川宮司（中央）
本殿裏手にある令和神苑

　師岡熊野神社「いの池」の水質改善を図るため、同神社から池に水を送る導水管の設置が12月６日に完了。同日、竣工奉告祭が斎行され、集まった関係者ら22人に披露された。

　新鮮な水を継続的に導入させる導入管の設置工事は、師岡熊野神社「いの池」愛護会（上田三夫会長）が昨年度のヨコハマ市民まち普請事業に採択された「いの池を中心とした地域資源循環システムの再生と維持」の一環によるもの。今年８月に着工し、石垣の修復や排水口の改良など池周辺の環境整備や、活動掲示板の新設、水のろ過・エアレーション電源等に使用する太陽光発電の容量アップなどと合わせて実施された。

　本殿裏手にある庭園「令和神苑」に流れる地下水のオーバーフロー水や境内に降る雨水などを、導水管を通じて池に送る仕組み。工事では、既設の雨水桝に取水口を設置。境内から池までの間の坂道に沿って配管され、公道の地下を横断して池まで通じる約90ｍの導水管が布施された。

　この日は本殿で石川正人宮司により、愛護会や総代会、施工者へのお祓いが行われ、これまでの経緯や地域への感謝が込められた祝詞が奏上された。上田会長は「この日を迎えらえて感無量です。池の水をきれいにする形ができ、池が本当の意味で『心のふるさと』となる一歩を踏み出した感じ」と述べた。

　いの池は地域開発などの影響で湧き水の水路が変わったことにより、池の水が循環しなくなり、１９７５年頃から水質が悪化していた。これまで同愛護会が地域住民らとともに定期的に池の泥をすくう「かいぼり」や池周辺の清掃などの環境保全活動を実施してきた。