都筑アートプロジェクト実行委員長を務める 岡 典明さん 緑区在住 49歳
「いつもの街」に驚きを
○…センター北駅の高架下に、現代アートの世界が出現する。10月12日から11月10日に開催される都筑アートプロジェクト「ニュータウン幻想動物園」に向け、現地での作業が9月25日から始まる。フェンスに囲まれた高架下を動物園に見立て、14人のアーティストが作品を展示したり、パフォーマンスを繰り広げる。「普段ありえない場所に、驚きや感動を見つけてもらえたら」と、プロジェクトを代表して話す。
○…都筑アートプロジェクトは、2006年に発足。歴史ある大塚・歳勝土遺跡と現代のマンションが一体化したニュータウンの風景にインスピレーションを感じた作家が集い、街の魅力を住む人に発信。これまでイベントや地域の学校でのワークショップを開催してきた。個性派が揃うアーティスト集団の仕切り役としては不安もあるというが、「違う意見を言い出すと多少ガチャガチャはするけど、より良いものにしていこうというパワーがある」と笑顔。このおおらかさが、チームを取りまとめるコツなのかもしれない。
○…生まれも育ちも緑区。市ケ尾高校に通い、2年生から美術部に出入りするように。「美術の先生が、仙人みたいな髭を生やしたおもしろい人で。『世の中いろいろあってオッケー』みたいな話をしたり」と懐かしむ。そんな中で美大を目指すようになり、2浪の末、多摩美術大学へ。現在は、渋谷区の国立総合児童センター「子どもの城」の造形スタジオで職員を務める傍ら、年に1度ほど個展を開くアート人生を歩む。
○…「人間が見えているものって、本当に見たままなのか」。学生時代からの問いは今も作品のテーマに。立体を中心に手掛け、工業製品など日用品をアートとして生まれ変わらせる。自称「楽天家」、素材との出会いを刺激に、自由な創作活動を楽しむ。「いつもの街」も、こんなアーティストたちの手で全然違う顔を見せてくれるに違いない。
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