「これがラストチャンス」
日本バンタム級王座決定戦が9月1日、後楽園ホールで行われ、花形ボクシングジム(池辺町)に所属する齊藤裕太選手(30)が、菊池永太選手(32・真正ジム)を破り、初の王座を獲得した。
「これがラストチャンス」と試合に挑んだ齊藤選手。元世界チャンピオンで同ジムの花形進会長から「スタミナとハートの勝負。ゴングが鳴ったらガンガン打ち合って、チャンピオンをつかみ取れ」との助言通り、1ラウンドから突進。長身の菊池選手から放たれるパンチを冷静にかわし、左ジャブで圧力をかけた。2ラウンドに入ると勢いはさらに増し、齊藤選手の左フックがヒット。ぐらついた菊池選手をロープに追い込むと、上下に激しい連打を繰り出し、レフェリーストップでTKO勝ちした。
「もう限界」からの浮上
齊藤選手は昨年8月、前王者の赤穂亮選手(32・横浜光ジム)と初の日本タイトルマッチに挑んだが、惜しくも9ラウンドTKO負けに終わった。今年2月の再起戦でも敗退。「心が折れた。もう限界だ」と3月末、花形会長に引退の意思を伝えた矢先、今回の試合の話が舞い込み、戸惑いながらも現役を続行した。
花形会長は「我慢して長くやってりゃ、チャンスは必ずやってくる。スピードもパワーもあったし、今回は出来が良かった」と笑顔で話した。
齊藤選手は試合後、妻と3人の子どもをリングに上げ、「こんな負けてばかりの僕でもチャンピオンになれることを証明できた。今までの人生の中で一番幸せ」と家族で喜びを噛みしめた。
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