大正末期〜昭和の北山田から 第41回 都筑区の歴史を紐解く 文・絵 男全(おまた)冨雄(『望郷』から引用)
空襲 【5】
深夜 悲鳴のようなサイレンに 姉妹で防空壕に飛び込んだ 怖いもの見たさから そっと壕から外に出た きれいだの一言 照明弾で真昼のよう 無数のサーチライトが敵機を掴む 高射機関銃の曳光弾が流星のように追う 高射砲が炸裂 焼夷弾が田畑を舐めつくす 破片の落下物で身動き出来ない 電波妨害のアルミハクが夜空に舞う 横浜 川崎が燃え上がり 深夜の夕焼け 突然三人の耳元に 異常な風圧を感じた瞬間 裏の竹藪に砲弾が轟音で炸裂 高田の高射砲陣地が慌てた低空射撃のそれ弾 親父の爆弾 バカヤロウ 死ぬぞ 隠れろ
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