横浜市 区役所に職業紹介窓口 生活保護者等の自立支援
横浜市は、生活保護受給者などが公共職業安定所(ハローワーク)の職業紹介サービスを区役所で受けられるよう、国に求める方針を決めた。来年度から試験的に3区で実施したい考えで、11月にも要望書を提出する。
横浜市の生活保護受給者数は2012年9月末現在、前年同月比約2400人増の6万9370人。毎年増加の一途をたどっていることから、就労を支援し、受給者の自立を促すことは喫緊の課題とされている。
生活保護の受給申請や受給者が相談に訪れる各区役所では、就労支援専門員が区独自の求人情報の紹介やハローワークへの同行などを行っているが、ハローワークとの情報共有化は図られていないのが現状だ。
一方、ハローワークは中区・港北区・金沢区・戸塚区と川崎市川崎区の5カ所(出張所等除く)で市内18区をカバーしている。管轄のハローワークから最も離れた地域の中には、電車やバスを乗り継ぎ、片道1時間以上かかるところもあり、遠いことや交通費の負担などを理由に足を運ばない受給者も少なくない。
一部のハローワークでは独自に管轄地域の区役所と連携を図り、区役所で出張面談を行うなどの策を講じて成果を上げているところもあるが、対応できる人数や日数には限りがある。
区役所の一角にハローワークの求人情報検索端末と職員を配置し、ハローワーク同様の職業紹介とサービスを受けられるようにすることで利便性を向上させ、求職活動意欲を削ぐ要素を軽減するねらいがある。また、区も対象者の求職活動状況を把握しながら的確な助言が可能になるほか、国と地方の重複行政となっている事務の効率化が図られると見込んでいる。
試験的に実施する3区は、ハローワークまでの交通の便や生活保護受給者数などを考慮して検討中で10月中に決定し、11月に要望する見込み。実施後の成果をみながら、将来的には全区に広げたい考えだ。
市政策局によると、職業紹介窓口を区役所などに開設する動きは全国的にあり、県内では4月に相模原市が就職支援センターに、10月には綾瀬市が市役所に開設している。
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