旭区出身の奥田玲生(たまみ)さん(18)=今号人物風土記で紹介=が8月、ビリヤードのプロテストに合格し、最年少プロとして歩み出した。昨年の鹿児島国体で優勝を果たした実力派。「世界一のプレーヤーを目指したい」。奥田さんは強い眼差しでこう話している。
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1年半ほど前まで横浜に住み、現在は両親とともに練習拠点のある相模原市で暮らす奥田さん。日本プロポケットビリヤード連盟によると、相模原市在住の同団体加盟プロは奥田さんで3人目。18歳は国内でプロライセンスをもつ、およそ260選手の中で最年少になるという。
今回、奥田さんは昨年の国体で優勝という実績を残していたことなどからプロテストでは実技が免除となり筆記試験のみの受験となった。奥田さんは「念願のプロとなりうれしい。世界一のプレーヤーになるためのスタートに立てた」と笑顔を見せる。
負けず嫌い
様々なゲーム形式があるビリヤードのなかで奥田さんが主戦場とするのがナインボールと呼ばれる、1対1の対戦競技。1から9番までの的となる球と手球1個を使い、番号順に手球を的球に当ててポケット(テーブルにある6個の穴)に落としていき、最終的に9番のボールを落としたプレーヤーが勝利となるものだ。
奥田さんの強さを生み出しているのが高い集中力。いかに9番を落とすのか、プレッシャーに負けず集中して、2、3歩先を考えながらプレーする力に長けている。
「ミスした方が負ける競技。心の強さには自信があります」と奥田さん。1日平均5〜6時間の練習やこれまで数多くの試合を重ねてきたことで身につけた力という。「元々、負けず嫌いなんです。シミュレーションを繰り返したうえで試合に臨むようにしています」
動画をアップ
「早く結果を残していきたい」――。プロとなり実績を積んで世界大会出場への道筋を定めていきたい中での新型コロナウイルスの感染拡大。年内は試合が見込めないなか、奥田さんは自身の技術を動画サイトへアップし、競技への注目を集めていきたいのだという。「今月中旬にも配信予定。多くの方に見て頂ければ。ビリヤードを周知するのもプロの仕事と考えています」
今年4月からは鶴ヶ峰本町の「アストロ鶴ヶ峰店」で勤務するため、今でも週に2、3日は旭区を訪れている。「小さい頃からお世話になっているこのお店に貢献したいです。プロとして良いプレーを見せたい気持ちもありますね」。生まれ育った地元でビリヤードの魅力を広げつつ、「世界一」という大きな夢も追い求めていく。
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