日本高校野球連盟の2020年度「育成功労賞」に選ばれた 金沢 哲男さん 横浜商科大学高校在勤 63歳
日々の積み重ね、結果に
○…横浜スタジアムで表彰を受けると野球指導に力を注いだ32年の時間が実感に変わった。高校で野球ができるのは2年半だが、人生はその先も続く。「我慢できる人間を育てたい」。厳しい指導に強い思いを込めた。
○…小学3年から野球をはじめ、鎌倉学園中・高、早稲田大、東芝でプレー。人格者だったという高校時代の監督に憧れ、指導者を志した。そんな思いを知り商大高と縁をつないでくれたのもその監督。実は大学の先輩の勧めで受けたプロ野球の入団テストにも合格していたと明かすが、「監督の言うことは絶対ですから。『はい』しか言えなかった」と笑う。
○…「マイナスからのスタートだった」。2003年が一番印象に残る。前年の秋季県大会は横浜高を相手に初戦コールド負け。厳しい練習に実力が伴わず、ある日、部員全員が練習をボイコットした。一人ひとりの言い分を聞き、部員たちで練習メニューを作ることで納得して活動を再開したものの「楽な練習ばかり」。当然、結果はついてこなかった。変わったのはその後だ。主将から「指導を厳しくしてほしい」と申し出があり、グラウンドには夜遅くまで自主練習をする部員たちの姿があった。その夏、同校は3度目となる甲子園出場を決めた。「1+1が2にならないチームもある中で、4にも5にもなった。積み重ねが結果につながることを教えてくれた」
○…3人の娘を育てた。帰宅が遅く朝早くにでかけるため、「家での発言権や威厳はありませんでした」と苦笑い。新型コロナの影響で学生も我慢が続くが「窮屈な中でいかにこなすか。与えられた環境でベストを尽くしてほしい」。現在は生活指導部長、世界史教諭として教壇に立ち生徒を温かく見守っている。
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