旭区・瀬谷区 コラム
公開日:2026.02.19
オオアラセイトウ文・写真:中村多加夫(瀬谷環境ネット)
瀬谷の生き物だより 193
春早く、道端や空き地、公園などに淡い紫色の花を見かける。アブラナ科のオオアラセイトウ(大紫羅欄花)である。花の少ない時期に十字形の花がまとまって咲く姿はひときわ目を引く。中国原産で、日本には江戸時代に観賞用として渡来し、現在では各地で野生化している。
別名のショカツサイ(諸葛采)は、諸葛孔明が食用としてこの花の種を播いたという伝説に由来し、実際に若葉は食用となる。ほかにも、ムラサキハナナ(紫花菜)やハナダイコン(花大根)など、さまざまな呼び名で親しまれている。
草丈は30〜60cmほどに成長し、やや細長い葉を互生させ、茎の先端に多数の花をつける。花からはほのかな香りが漂い、ハチやチョウなどの昆虫を引き寄せる。早春に咲き始めるため、花の少ない時期に活動する虫たちにとって重要な蜜源となっている。
生命力が強く、こぼれ種で増え、初夏には枯れて姿を消す一年草、または越年草である。この花に出会ったら、ふと足を止めて眺めてみてはいかがだろうか。
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