神奈川県は、6月から二俣川看護福祉高校などの一部の県立学校で女子トイレに生理用品を設置するモデル事業を始めた。経済的な理由から生理用品を十分に確保できない「生理の貧困」が社会問題となる中、今後の在り方を検討するため、ニーズや実態を把握する。
今回モデル校に選定されたのは県立高校10校と特別支援学校高等部の計12校。県は地域や学校の特性を踏まえて選定したという。
県立学校ではこれまでも在校中に生理用品が必要になった生徒に対して保健室で生理用品の提供等を行ってきたが、今回は比較的利用者が多い女子トイレの共用部分に生理用品を収納した箱を設置する。実施期間は8月31日までの3カ月間で、各校は県から割り当てられた費用で1校あたり高校は約7800個、特別支援学校は約3900個の生理用品を用意。補充などの管理方法や事業の趣旨啓発なども独自に行っていく。
「『貧困』前面に出しづらい」
モデル校となった二俣川看護福祉高校は、学校の特性から女子生徒が全体の9割を占める。同校は趣旨を説明する文書を事前に保護者に配布。3カ所の女子トイレ洗面台付近に職員手作りの啓発ポスターとともに設置し、毎日養護教諭が補充管理している。
開始1週目は50個が利用され、生徒からは歓迎の声が多い。一方、「毎日使うマスクを購入するほうが経済的に負担では」などの声もあった。
管理を行う統括養護教諭の金澤佳子教諭は、「使うと貧困というような見方をされたり、本当に困っている他者への思いやりから使いづらいと感じる生徒がいるかもしれず、『貧困』という言葉は前面に出しづらいと感じる」と話す。また、「対面で渡すほうが本当に困っている生徒を見つけフォローしやすいのでは」とも考えるという。
県内ではすでに大和市が市内公立小中学校の女子トイレに生理用品を設置、藤沢市などは防災備蓄分を市役所などで配布している。
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